野火焼ドキュメント  
   
  ホームページを開いた当初に 一種類の土でほぼ同じ大きさの器を五個作り置き  
自分の焼き技法の五種類の焼き物を五種類の技法を駆使し野火焼の焼き物の技法の基礎でもある重ね焼の
 
その展開させてゆく過程の器姿をも含めて見て頂いてたものでしたが  
それぞれに撮りおいた写真の保存を失ってしまったのをきっかけに  
陶芸活動の再開に伴って 近作の中からその意味合いのものを見ていただくことに致しました。  
   
 赤土重ね焼 立ちぐい 三次焼成器姿   
   
一次二次の器姿は残念ながら見当たらないので三次からの展開を見て頂くことになります。  
この焼き物の説明の前に あらためて補足説明の意味をも含めてお話しておきますと  
ここに使用した土は信楽赤土で採取地は奈良県であろうとおもいます。
 
篩い目は60目で私のその他の使用土の中では備前田土と同等のものです。  
土の鉄分の含有量については詳細なその二種類の違いは不明ですが表示された耐火度は
 
ほぼ同等の表示があるものの わたし的にはその捉え方には若干の誤りがあろうと捉えるものです。  
その違いの捉え方の根拠とするものには鉄分量以外の土に含まれてる成分の耐火度の違い点にあります。  
その違いの表面化する点をも今後見て頂こうとおもっていますが  
まずはこの赤土の立ちぐいの一点の器肌からのはじまりです。  
この器も一次の時には沸きを求める核つくりをしてたものです。  
その後の二次では沸き肌を作りこんでいたものですがこの三次焼成では沸きの荒れ肌を無くしながら  
胎土のすべてを硝子質化させる いわば材質の違う酒呑に創り変えようとする試みでもあります。   
土を硝子にする それは熱力学的にも科学的にも いな理論的にも当然側の事だといえますが  
土質で作られた物の形状を変えることなく物質変化させることは  
熱力学からも科学的にも物理論に相反する説を求められるものであろうとおもいます。  
言い換えるべく事例を挙げてみるならば 施釉薬物の焼き物がありますが   
焼成を終えた釉薬の器を再焼きすることにします。  
その器に施工されてる釉薬の焼成に必要な温度が例えば1230℃のものとしましょう。  
焼成を終え 焼かれたその器の釉薬は溶融し硝子質化していますから  
その時点でその器の釉肌の溶融点はその後は普通硝子の溶融点 1,100度のものとなります。  
つまり、その釉薬を施し一度焼かれた器を1,230度でもう一度焼成すると  
1,100度を越えた温度域から硝子質化した釉薬は流れ落ちる現象を起こすことになります。  
話をこの記事の三次焼成した器に戻しますと 少なくとも二次から胎土の表面は硝子質化してるこの器にも  
三次の場合にも同じ1,230度の温度域で焼いたわけですから表面の硝子は流れ落ちていているはずですが  
見て頂けてる通り沸き現象の起きるメカニズムの一環である気泡の破裂後の凹面は残ってますが  
釉垂れは起こしてないのがお判りだとおもいます。  
   
この器に求めるものは陶器である酒呑を 硝子の酒呑に焼き変える企みをしてるものです。  
この後も四次・五次・六次焼成と重ね焼するうえで  
器としての形を固持させながら胎土の中に中にと硝子質化をどこまで進められるかの企てです。  
器の生地がまだ土として固持する分だけこの形を保ててられるのか  
それとも私の焼きの持論が物理論まで解き変えてみせられるのかのまだ野望でしかない挑戦です。  
   
   
        
        
        
        
        
        
   
   
   
  赤土重ね焼 立ちぐい 四次焼成器姿   
   
違いに気付かれたでしょうか・・・?  
さほど大きな変異ではありませんが   
三次の時の器肌にできてた凹凸の凹の部分が無くなってるところが多くあります。  
硝子である固体が溶融 つまり液状化してゆくことにより流動する表皮面がこの変異を作ったものです。
 
例えをしますと 1250℃で溶融する釉薬を施してこれを焼成したとしますと   
完成品を今一度窯に入れて同じ焼き方をすれば 間違いなく釉薬は流れ落ちてしまいますが  
ここにその状況は見られず 高台部を見ていただければ釉垂れの無いのがお判りでしょう。  
憶測でしかないものですが 前回からみてはたしてどのくらい生地中心部への硝子質化の進展があったのか  
   
   
        
        
        
        
        
             
 
 
  赤土重ね焼 立ちぐい 五次焼成器姿   
   
五次に進めた器姿です。  
ここでも前回と大差ない器肌に見えますが 沸きは明らかに進み
 
生地の中心部へと物質変かはすすんでいることは間違いないことです。  
凹凸現象の凹部面が減少してるようですがこれは溶融により変形を意味するだけのものです。  
この現状のプロセスを言い換えて解説しますと  
赤土(7号)で作った立ちぐいの一点は熱の世界である意味区切られた温度域を度重ねながら  
物質変化を進め硝子単体の立ちぐいに変化をしてるものです。  
熱効果=(温度と時間)にしか模写できないアートだと言えるでしょ。  
そこに求められる温度・時間・環境のどのひとつが間違っても  
器としての原型を保持しながらのこの為の進化は不可能となるでしょう。  
見込み底面に金彩窯変がのりました。  
溶融する流動体の面に金彩窯変は理想中の夢のものです。  
器肌に毎回進む自然乳白釉の混入されてゆく様を見ながら  
金色の硝子酒呑は無理でも乳白色の硝子の酒呑を土で焼けたならすごいことでしょうね  
   
   
        
        
       
        
        
        
   
   
   
   赤土重ね焼 立ちぐい 六次焼成器姿   
   
重ね焼技法による陶器の完全硝子質酒呑への物質変化狙いの六次焼成器姿  
前回五次焼成よりもさらに凹部分箇所数の減少がみとめられ  
残る凹部分の深さが増してるものが複数ありますが  
そのどちらの現象についても溶融するプロセスの単なる一要因にすぎず  
さほど大きな変貌はなしていないものですが  
前回に見込み底面に出た金彩窯変を失うことなく  
今回では外面に金窯変を見せてくれましたし
 
その色素が明らかに硝子質化した生地内面入り込んでるのが伺えます。  
金彩窯変のこの着色混入現象は 私の焼き物体験上では はじめてのものです  
原型を崩すことなく更なる色硝子の酒呑への進化をますます夢みます。   
   
       
        
        
        
        
        
   
   
   
    赤土重ね焼 立ちぐい 七次焼成器姿   
   
前回六次の器肌に比べ違った点に外身の金彩窯変の無くなった点と
 
沸きのメカニズムの現象でもある凹部分の数がさらに減ったことにあるでしょう。   
見て頂いてる皆さんに訴えたい留意点のその第一がこの場合も例にもれず 
 
1230℃以上の窯内で同じ焼成時間を要して焼いた事実です。   
繰り返し取り立てておきますが硝子質化したものは   
特別な熱処理をしたもの(耐熱硝子)でない限り1100度域が溶融点となります   
したがって、こうした焼き物が焼けるはずのない現実がここにあります。   
たしかに器の生地の全てが硝子質化を済ませてるわけではありませんが   
施釉薬ものを焼かれてる陶芸家の目からしても   
釉だれもないこの状況を解説できはしないだろうのある確信も持ってます。   
言い換えるとこの解説ができるなら この焼き物が焼けるはずの 捉え方からです。   
ちなみに一点補足説明をしておきますと   
前回まで無かった高台部が二段高台のようになってますが   
こらは私が高台部分の溶融を保護するべく何時もながらの   
ある技法を施しているのですが  実は今回に限り何時もにない形状の施しをしていましたが  
そのため二段高台を作ってしまいました   
ただし今後の重ね焼を経過させても これ以上の異変は起こさせないつもりでは居ます。   
陶土 その材質ならではの特徴の出るのが焼き物なら   
陶土・材質には なんら影響されないものも焼き物には存在するのだと   
そんな思え方で この現実を知っていただけるかもしれません。   
焼き物の世界には まだまだ解き明かせてない物理が 多々あると捉えてる小生です。  
   
        
        
        
        
        
        
   
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