君にはぐれたかい・・・

                   

君へのおもいを

僕は思い出になんてしていない。

君を思い出になんか渡さない。

たった一度あの初夏に

君とのおもいにはぐれてしまいそうだった時

その偲びがたさを友人の前で泣いた。

奥様が「居ましたよ」って知らせて下さった初夏

君にはぐれずに済めた嬉しさに

泣きつづけて居られた夏も行った。

僕ひとりでは、なんにもしてやれてないんだと

自分が憎かった秋も行った。

今度は僕が待ってるよって

まだ居るはずないけど歩いてみたよ。

笹の葉に隠れるように逢ってくれる

君とのおもいの大切な道を

何里もの山も水もへだてたって

君が薫って呼びに来てくれるから。

僕はこの冬も待っていられるよ君のことを

君が僕におしえてくれたもの

あの子が残してくれた愛し方を

泣いて居られるうれしさと

抱かれて居られる泣きたさをはなさない。

                                  

                                  
                  

君にはぐれたかい

君を見失わない秋から秋を

君としか居たくない白い峠道を越え

君としか歩かない花たちの道をたずね

君としか居なかったあの海の

沈む夕陽の色に目の染まりを隠した

君にはぐれたかい

君に見捨てられたかい



                                子守唄さん
                     

後姿を見てられるだけでいい

振り向いてくれた時

黙って見えててやれるだけでいい。

                            




          
     
           君の星まで走る光ならいいのにと想った。

         君がもう腕の中からでさえ僕を見上げて見てくれなくなった日の

         同じ時間あたりの同じこの場所に立ってみたよ

         何度も 何度も振り返らずには居られなかった。

         僕を通り過ぎた光が僕のすぐ後ろで立ち止まってくれてたおもいに

         繰りかえってみないと居られなかった。

         何度目も 何度目も僕は疑いたくもなく振り返った。

         降りだした霧雨のせいで

         行く光を見失うのが早まるのが辛かった。

         来る光がうるむのが哀しかった。

         この光の中での最後の時間がきっと

         僕の中に君を焼き付けたんだよきっと

         僕がこんなに君への届けに

         色にせがんで せがんで生きたのは

         君に届けて居つづけたかったものは

         あの日の君に残せたものだよきっと。




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